概要
『キャプテン翼 -RIVALS-』は、サッカー漫画『キャプテン翼』のブロックチェーンゲームです。
『キャプテン翼』に登場するライバルキャラクターや他プレイヤーとの対戦でアイテムを奪い合うことをゲーム性としており、世界に1つだけのキャラクターNFTの育成・強化を楽しむことをテーマにしています。
ブロックチェーンゲーム特有の難しさが排除されており、初心者にとってプレイしやすいゲームになっています。
設計
この項目ではゲームやトークンの設計を解説していきます。
ゲームの遊び方
新規で『キャプテン翼 -RIVALS-』をプレイするには、既存プレイヤーに招待URLを発行してもらう必要があります。
最初期のユーザーに対しては、Discord上でアクセス権を配布していたようです。
ゲームにはブラウザからアクセス可能です。(ゲームへのリンク)
採用しているブロックチェーン
『キャプテン翼 -RIVALS-』では、Polygonブロックチェーンを採用しています。
ブロックチェーンではトランザクション発行の際(何らかの操作を行う際)に手数料が必要です。Polygonチェーンでは、その手数料が低く抑えられるのでユーザーに対してゲームにアクセスしやすい環境を実現できます。
ゲーム内トークン $TSUBASAUT
本ゲームは基本的に、ゲーム内トークンの $TSUBASAUT を軸にゲームシステムが展開されています。
$TSUBASAUTは発行上限が330万枚に設定されており、これを使用することで選手NFTのレベルアップや疲労度の回復、必殺技の獲得などが可能となっています。
なおゲーム内のアクティビティやファンコミュニケーションに活用可能なトークン(ガバナンストークン)として$TSUBASAGTも発表されていますが、2023年1月時点では詳細が公開されていません。
操作キャラクターをNFTとして獲得
ゲームを遊ぶためのキャラクター『選手』は、NFTとして提供されます。
各選手にはレア度やレベル、属性といったステータスがあり、これらが高いとゲームを有利に進めることができる仕掛けが施されています。
ユーザーはゲームを開始するためにショップにて選手NFTを購入する必要があります。
ゲームモード
本ゲームでは、2023年1月時点で2つのゲームモードが用意されています。
一つ目がライバルモード、2つ目がPvPモードです。
ライバルモードは、いわゆるコンピューターとの対戦です。ゲームをプレイしライバルに勝利すると、選手の育成のためのリソースを獲得できます。
PvPモードはサーバー上の他のユーザーたちと対戦するモードです。
トークンエコノミクス
詳細なトークンの動き(トークンエコノミクス)は、以下の通りです。
コミュニティ運営の方法
『キャプテン翼 -RIVALS-』ではコミュニティの運営をDiscord、広報活動を主にTwitterで行っています。
ゲームに関するQ&Aやコミュニティメンバー同士での交流もこのようなプラットフォームにて行われていることから、コミュニティ運営はブロックチェーンゲームを展開する上で重要な要素の一つとなっています。
運営体制
開発・運営チーム
運営しているメンバーで明らかになっているのは、プロデューサーの藤好俊(Shun Fujiyoshi)氏です。
同氏は現在モバイルゲーム開発等を手掛けるKLab株式会社の執行役員となっています。
公式サイトには、BLOCKSMITH&Co.(ブロックスミス社)とThridverse(サードバース)社による共同開発であることが明記されています。
なお、BLOCKSMITH&Co. は前述したKLab株式会社の子会社となっています。
加えて投資家には、様々なNFT・メタバース事業への投資を行っているグローバルVCであるAnimoca BRANDSやYIELD GUILDが名を連ねています。
運営期間
2022年10月からTwitterでの発信や広報活動を開始しており、2023年1月時点で運営期間は3ヶ月となっています。
約3ヶ月の情報発信、コミュニティ形成の後、2023年1月12日にサービスを開始しました。
マネタイズ
本ゲームにおけるマネタイズは、手数料収入と運営によるトークン売却となっています。
以下、それぞれの項目について詳しく解説していきます。
手数料収入
本ゲームで使用する選手NFTを獲得するために、ユーザーはまずNFTショップ(マーケットプレイス)にて選手NFTを購入する必要があります。
購入をする際に販売手数料として6%が運営に徴収される仕組みとなっています。
なおホワイトペーパーには、この販売手数料はトークン価格とのバランスを加味して調整されると明記されています。
運営によるトークン売却
ゲーム内トークンの売却益でもマネタイズを行うことが可能です。
実際に キャプテン翼 -RIVALS- の運営は、トークンを売ることで実質的なマネタイズ(利益の発生)を行いました。
運営がトークンの売りに動いたのは2023年1月11日の終わり頃です。以下のチャートを見ても、不自然な価格の下落が観察できます。
引用元:CoinmarketCap – TSUBASAUT / WMATIC Chart
トークンに関する全ての動向は、コチラのブロックエクスプローラー(取引監視ツール)で観察することが可能です。
ただし運営によるトークン売りの件については、ホワイトペーパー(プロジェクトの説明書のようなもの)にて以下のように記載があります。
『キャプテン翼 -RIVALS-』では、運営があえてユーティリティトークン($TSUBASAUT)の売買を実施することで、$TSUBASAUTの価格が適正価格以上に高騰することを抑制すると共に、$TSUBASAUTの価格下落を防止する仕組みを複数入れることで、可能な限り長く$TSUBASAUTの価格を維持することに努めます。
引用元:キャプテン翼 -RIVALS- gitbook トークン価格維持の重要
将来性
結論としては、『キャプテン翼 -RIVALS-』は将来的に盛り上がる可能性はあると考えています。
ユーティリティトークンである $TSUBASAUT に多くのユースケースを作り、かつそのユースケースがゲーム性の向上に寄与しています。継続的にゲームが発展していけばユーザーが滞留しやすい環境が作れていますし、内生要因からの突発的なトークン価格の下落(ユーザー離れ)が起こりづらい状況を生み出せているかと思います。
運営によるトークン売却によってコミュニティに対して不信感を抱かせてしまいましたが、今後どのようにコミュニティ運営のかじ取りを行うのかは注目すべき事項です。