Discordの魔術師ガリバー氏に聞く!Web3プロジェクトを立ち上げる際のDiscordコミュニティ設計入門

投稿日:2023年4月7日 | 最終更新日:2023年5月29日

Web3系のプロジェクトを立ち上げる際に検討すべきコミュニティ運営。今回はコミュニティ運営の専門家であるガリバー氏にインタビューさせていただいた内容を基に、Web3コミュニティの運営・設計に関するノウハウを解説いたします。

 

ガリバー

 

「ぶさ・かわ・どや」を世界中に伝えたいFrench bulldogs NFTのファウンダーとして活動しつつ、合計20か所以上のコミュニティにてコミュニティマネージャー、Discordエンジニアを担当。自身が運営するサーバーはDiscord公式パートナーとして認定されている。

Twitter:@gulliver_nft

 

 

そもそもWeb3コミュニティって?

 

Web3のコミュニティと言っても、そのバリエーションは多岐に渡ります。

 

ただ一般的には、Discordというチャットサービスを活用してコミュニティを構築することが多いですね。

 

立ち上げるWeb3プロジェクトの理念やロードマップに共感してくれた人が、テキストメッセージやボイスチャットで交流する場所を提供するイメージです。もちろん公式からプロジェクトのアップデート情報なども提供しますが、基本的にはメンバー同士での交流の場として設計したほうがうまく機能する印象です。

 

 

Discordの設計には何が必要?

 

必要不可欠なのがDiscord Botへの理解ですね。

 

Discordでは元から用意されている機能を拡張および新機能の追加を行うことで、よりコミュニティに所属しているメンバーのユーザー体験を向上させることが可能です。

 

これを可能にするのがDiscord Botです。

 

Web3プロジェクトならではのDiscordコミュニティ(主にNFTプロジェクト)で使用されていることが多いのはpremint(プレミント)というDiscord Botです。

 

このBotはNFTの認知拡大、販売戦略部分のマーケティングに必要な要素を全てカバー可能なものです。

 

premintを使用することで、NFTのプレゼント及びALの配布に対してより様々な条件付けを行うことができるため、より拡張性をもったマーケティング施策の考案が可能です。

 

 

コミュニティを盛り上げる方法は?

 

コミュニティを継続的に盛り上げていくためには、情報発信を絶やさないことが重要です。

様々なイベントを企画して、コミュニティメンバーの熱量を高く維持しましょう。

 

具体的な盛り上げ方としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • コミュニティ内ポイントの導入
  • クイズ等の開催
  • ランブルの開催
  • 月1、または週1の大型イベントの企画

 

とにかくメンバーの皆さんにコミュニティ内活動へ時間を割いてもらいます。

 

継続的かつ習慣的にコミュニティへ参加してもらうことで、コミュニティへの忠誠心が上がっていき、自然と全体の盛り上げに貢献していただけます。

 

 

コミュニティメンバーを集める方法は?

 

新規ユーザーを獲得する方法は主に3通りあります。

 

NFTやAL(Allow listの略、NFTの優先購入権のこと)のGiveaway

既に知名度のあるインフルエンサーをアンバサダーに起用する

最初は少数の人たちに対してコミュニティを開放し、特別感を出す

 

①の方法は多くのWeb3コミュニティで実施されていますね。GiveawayとはTwitterのフォロー&引用RTを条件にNFTを抽選でプレゼントするマーケティング手法です。この方法は一時的な熱狂は生みますが、NFTのセールが終わった段階で一気に人が離れる可能性が高いです。実施したとしてもコミュニティ立ち上げ段階の認知獲得のためと割り切って、数回に抑えるのが良いかと思います。

 

②は分かりやすい集客方法かと思います。単純に起用したインフルエンサーのファンの一部がコミュニティメンバーとして集められますね。インフルエンサーにコミュニティ内でアクティブな活動を行ってもらえば、メンバーの定着率向上も見込めます。

 

③は、主に海外のWeb3コミュニティで見られるマーケティング手法です。具体例としてはWolves DAOがありますね。GameFi系のコミュニティですが、Discordサーバーへの参加に対してApplication(応募書類の提出)を求めています。

 

現在のところ(2023年4月時点)コミュニティサーバーへの参加は停止しているようです。このような魅せ方をすることで、コミュニティの特別感を演出できると思います。

 

 

コミュニティメンバーを維持する方法は?

 

結論としては、メンバーに役割を与えるという方法が良いと思います。

 

特別なコミュニティ内の役割(Discordロール)を付与することにより、コミュニティ内において自発的な活動が促される可能性があります。

 

一番お手軽なのは、コミュニティ参加者に対してOGロール(初期メンバーの証明)を付与することですね。

 

何かしらの特別感(役割)があることで、コミュニティの熱狂を生みます。

 

コミュニティ運営を行う上での失敗例は?

 

失敗例としては、やはりスパム対策が甘いことによる迷惑メッセージの蔓延が挙げられるでしょう。

 

運営するコミュニティの成長フェーズにも寄りますが、サーバーに入った直後のコミュニティメンバーはメッセージを送れなくする(一定時間経過後にメッセージが送れるようになる)、等の対策が必要です。

 

ただしスパム対策は実施し過ぎて利便性を損なうと、メンバーの離脱を引き起こす可能性が高いです。コミュニティの特性を考慮した上で、丁度良い塩梅のスパム対策を施しましょう。

 

 

まとめ

 

コミュニティ運営はコストの少ないものではありませんが、成功させられれば一定の認知と売上の確保が見込めます。

 

もしこれからコミュニティ運営を始めたいという方は、このような事項を吟味した上で進めていくと、プロジェクト全体の成功に近付くかなと思います。

 

今回の内容がプロジェクト運営、コミュニティ運営のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

EY Strategy and Consulting入社後、グローバル案件を担当する。YouTuberのコスメディレクターや広告運用を経験後、Web3領域でゼロスリー(株)を創業。ソフトバンクアカデミア14期生。

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