概要
画像引用元:MIR4 on Steam
『MIR4』(ミル4)は、東洋をモチーフとしたファンタジー世界を冒険するMMORPGゲームです。また、ゲームで使用するキャラクターやアイテムをNFTとして売買することができたり、独自トークンを発行していたりと、ブロックチェーンゲームとしての側面も持ち合わせています。170ヵ国、12言語でリリースされているという点も特徴の1つです。
キャラクターメイキングのカスタマイズ性が高いことが特徴で、職業に加えて、ヘアスタイル、顔のパーツ、肌の色やメイクなどがカスタマイズ可能で、自分だけのオリジナルキャラクターをつくることができます。さらに、キャラクターの育成要素も豊富で、育成の仕方次第でキャラクターのステータスやスタイルに個性が現れていきます。
また、ギルドシステムで世界中のユーザーと協力し、他の勢力と大規模な戦闘を行い、ゲーム内世界の覇権争いに参加することができます。
設計
『MIR4』のゲームやトークンの設計を解説していきます。
ゲームの遊び方
画像引用元:龍と人々の物語、MMORPG MIR4
『MIR4』は現在、PC版、Android版、iOS版が提供されており、無料でプレイを始めることができます。(ゲームへのリンク)
詳細なゲームの遊び方については、コチラの記事で解説しております。
採用しているブロックチェーン
『MIR4』はWemix Networkというブロックチェーン上で開発されています。
Wemix Network自体はマルチチェーンブロックチェーンとして開発されており、ブロックチェーンに馴染みのないユーザーにも触れやすいようブロックチェーンゲームを開発できるように様々な仕組みが施されています。
『MIR4』の2つのコイン
『MIR4』では、DORCOコインとHYDRAコインという2種類の独自トークンを発行しています。
DRACOコインはこのゲームのユーティリティトークンにあたり、ゲーム内通貨である黒鉄(Darksteel)と交換することができます。
黒鉄(Darksteel)とDRACOコインのレートは100,000Darksteelで1DRACOコインとなっています。さらに、1日に黒鉄(Darksteel)からDRACOコインに交換できる量を制限することで急激に売り圧が発生することを防いでいます。
一方で、HYDRAコインはユーティリティトークンとしての側面もありながら、今後ガバナンストークンとして利用も予定されているトークンです。
DRACOコインは、ゲーム内で獲得できる黒鉄(Darksteel)と交換できるため、botやチートによって不正にDRACOコインを入手されてしまう可能性があります。その対抗策としてHYDRAコインが実装されています。HYDRAコインはDRACOコイン及びbotなどでは入手不可能なゲーム内アイテムを組み合わせることで精製することができます。
※ユーティリティートークン:ゲーム内通貨として使用されたり、ユーザーに報酬として支払われるトークン
※ガバナンストークン:保有することで、その保有量に応じてコミュニティでの投票権が与えられるなど、運営に参加するためのトークン
NFTとして流通しているゲーム内アイテム
『MIR4』内で、2023年3月時点でNFTとして流通しているゲーム内アイテムは、育成済みのキャラクターと、XDRACO itemsと呼ばれる一部のアイテムです。
キャラクターは、レベル60以上、戦闘力10,000以上という条件をクリアすることで、NFTとして出品することができるようになります。
画像引用元:Character NFTs
トークンエコノミクス
『MIR4』内でのトークンの動きは以下画像の通りです。
画像引用元:https://www.xdraco.com/coin/draco
最大の特徴は、『MIR4』をプレイすることで獲得した通貨を使用して、WEMIXコインと交換することができる点です。WEMIXコインは、『MIR4』の開発企業WeMadeの子会社が運営する、複数のブロックチェーンゲームの独自通貨と交換可能な通貨です。これにより、複数のブロックチェーンを横断した経済圏を構築し、それぞれの通貨の使い道と需要を確立します。
コミュニティの運営方法
『MIR4』のコミュニティはゲーム内のギルドシステムに加えて、Discord上で構築されています。Discordサーバーの参加者は2023年3月時点で24万人を超えており、世界中のユーザーが参加しているようです。
また、日本語で情報を発信している公式ツイッターのフォロワーは約1.7万人です。その他にも英語や中国語のFacebookアカウントや、YouTubeチャンネルを運営しているようです。
運営体制
開発・運営チーム
『MIR4』は、韓国のWeMade Entertainment社が開発、運営を行っています。また、開発プロデューサー ソン・ジョングクのメッセージが日本語のプレスリリースとして公開されています。
画像引用元:大作モバイルMMORPG「MIR4」 開発者からのメッセージ公開!|株式会社Wemade Onlineのプレスリリース
運営期間
2021年7月から、日本語の公式Twitterでの発信や広報活動を開始しており、2023年3月時点で運営期間は1年8ヶ月となっています。
約1年の情報発信、コミュニティ形成、テスト版リリースの後、2022年8月26日に正式版がリリースされました。
正式版がリリースされるまでの約1年の間に実施された施策の詳細(時系列での流れや効果の分析)に関しては、コチラの記事を参照していただければ幸いです。
マネタイズ
『MIR4』のマネタイズポイントとして、公開されている情報から読み取ることができたのは、プレイを通して獲得できる通貨を預けいれて報酬を受け取ることができるDeFiの手数料と、トークンの交換の際のプラットフォーム手数料となっています。
WEMIXプラットフォームが拡大していき、多数のブロックチェーンゲームの独自通貨の使い道として使用されることで収益が拡大していくと考えられます。
将来性
『MIR4』の将来性としては、Wemix Networkを軸とした複数のブロックチェーンゲームタイトルの経済圏がどこまで拡大していくかに大きく影響されると考えられます。
そのため、『MIR4』単独での将来性という面では不確定な要素が多く、判断が難しいでしょう。しかし、Wemix Networkを軸としたブロックチェーンゲームの経済圏が順調に拡大されていけば、継続的な発展が期待できると考えられます。
また、『MIR4』はブロックチェーンゲームではあるものの、ホワイトペーパーやトークンエコノミクスに関して公開している情報が少なく、あくまでもブロックチェーンが主題なのではなく、ゲームとしてより高い体験を提供するためにブロックチェーンを採用しているという姿勢が感じられます。開発を行うWeMade Entertainment社は、『MIR4』以外にも多くのゲームの開発を行っており、ゲームの開発会社としての地力は考慮する必要があるでしょう。