概要
画像引用元:https://twitter.com/stableempires
『Stable Empires』 は、様々な視点から競馬を楽しむことができるブロックチェーンゲームです。ジョッキー、競走馬、馬小屋、競馬場などの要素がNFTとしてゲーム内に登場し、ユーザーはそれらを購入・所有してゲームを楽しむことができます。
ジョッキーや競走馬、馬小屋などのNFTを持っていれば、馬を調教したり、繁殖させたりしてレースに参加し、仮想通貨を稼ぐことが可能です。また、育てた馬や騎手を貸し出したり、競馬場を所有して手数料を貰ったり、実際の競馬の様にレースに仮想通貨を賭けたりといった、様々な楽しみ方ができるゲームとなっています。
設計
『Stable Empires』のゲームやトークンの設計を解説していきます。
ゲームの遊び方
『Stable Empires』は、2023年5月時点ではまだプレイすることができません。また、α版やβ版でのテストプレイについても予定日が公表されておらず、公式TwitterやDiscordないでの発信をチェックしておく必要があります。
採用しているブロックチェーン
『Stable Empires』では、イーサリアムチェーンが採用される予定です。イーサリアムチェーンが採用する理由としては、広く普及しており、ユーザーが使用するハードルが低いという点が大きいのではないでしょうか。
NFTとして扱われるゲーム内要素
ジョッキー
ジョッキーはこのゲームにとって最も重要な要素の一つです。ジョッキーのNFTを所有することによって、馬を調教することができます。また、ジョッキーと競走馬のNFTをそれぞれ持っていることで、レースに参加することが可能です。
ジョッキーはアイテムやスキルなどを身に着けて能力を変化させることができます。さらに、特定のジョッキーと競走馬のペアで調教を行い、同じペアでレースに参加することで、調教によって向上したジョッキーと競走馬の関係値がレースでも効果を発揮します。
ジョッキーのNFTは全部で8,888体が販売される予定で、ローンチ時には上限を設けて、ウェイトリストやホワイトリストを持つユーザーにフリーミントで提供されます。また、このフリーミントでは、1つのジョッキーのNFTに対して、1つの競走馬のNFTが付属します。
所有しているジョッキーのNFTは、他のプレイヤーに貸出して報酬を得たり、売却したりすることも可能です。
競走馬
競走馬のNFTは、ジョッキーと並んで、このゲームの根幹をなす要素です。前述の通り、競走馬とジョッキーのNFTをそれぞれ持っていることでレースに参加することができます。また、競走馬はジョッキーのNFTやアイテムを使用して調教することで、レースでの勝率をあげることができます。
馬小屋
馬小屋は競走馬を所有するのに必要なNFTです。一つの馬小屋で5頭までの競走馬を飼育することができ、5頭の内の1体は繁殖のために妊娠することができます。
競馬場
『Stable Empires』では、競馬場もNFTになっており、ユーザーが所有することができます。競馬場を所有するユーザーは、自身の競馬場がレースに使用されることによって手数料を得ることができます。
ゲーム内トークン
『Stable Empires』では、ERC20規格のSTABLE Coin($stable)が発行される予定です。
※『Stable Empires』のSTABLE CoinはUSDTに代表されるようなステーブルコインではなく、名称のみが”STABLE”と名づけられている通貨です。ゲームのタイトルからこの名称になったと推測できます。
$stableはゲーム内通貨として、ユーティリティートークンの役割を果たします。具体的には、各NFTのアップグレードや、アイテムの購入、レースの賭け金、NFTのレンタル費用の支払いに使用することができます。
トークンエコノミクス
$stableは発行上限が設定されておらず、初期はレースへの参加者への報酬として発行されます。この仕組みが、ゲームに参入し、NFTを購入したり、レースに参加したりするインセンティブになります。$stableの価格を安定させるために、使用された$stableのバーンも計画されているようですが、初期段階は時間の経過とももに$stableの発行量が増加していくため、インフレを引き起こすことを前提としています。
そして、10,000,000$stableが発行された時点で次のフェーズに移行します。それ以降は、レースに参加することで獲得することができる賞金を大幅に減少させ、レースに参加して稼ぐという方法から、レースに賭けて稼ぐという方法がメインとなります。これにより、トークンの新規発行数を抑え、既に発行されているトークンによる循環をつくりだすことを目指しています。
コミュニティの運営方法
『Stable Empires』のコミュニティは、Discord上で運営されています。2023年5月時点で、
Discordサーバーには約4,000人のユーザーが参加しています。また、Twitter上でも情報発信を行っており、2023年5月時点では約7,100人のフォロワーがいます。
運営体制
開発・運営チーム
ALやWLの抽選システムを提供するプラットフォームであるAlphabot上の、『Stable Empires』のホワイトリストの抽選ページによると、ゲームの開発をBittrees、UIの開発をOpen Telosという企業が担当しているようです。主要なメンバーについては、Discordで公開されているライトペーパー上に名前と役割が記載されていますが、経歴やSNSアカウントなどの記載はなく、メンバーについての詳細は不明です。
運営期間
2022年9月にTwitterアカウントが開設されており、運用期間は2023年5月で7ヶ月となっています。これまでの7ヶ月の間の発信としては、ゲームの内容や世界が伝わるようなツイートが多く見られます。他のTwitterアカウントと協力してホワイトリストのgiveawayも実施しているようです。
マネタイズ
『Stable Empires』のマネタイズポイントとして考えられるのは、NFTの売上や、二次流通によるクリエイターフィーがあります。ジョッキーのNFTについて発行数の上限が明記されていましたが、競走馬のNFTの発行上限には記載がなかっため、競走馬のNFTは継続的に新たなNFTが発売される可能性があります。また、筆者自身の予想にはなりますが、競走馬のNFTには寿命のようなパラメーターが存在していても不自然ではないように感じます。
また、『Stable Empires』が想定しているトークンエコノミクスでは最終的には発行量を抑え、レースへの掛け金の移動によって稼ぐことが想定されています。そのため、トークンの流動性を担保する目的で、アイテムの購入やNFTのアップグレードに使用された$stableの売却が行われる可能性もあるではないかと考えられます。
将来性
『Stable Empires』は現在開発段階にあり、将来性を判断することは難しいです。
しかし、ライトペーパーで掲げられているトークンエコノミクスの設計は、賭けに参加したユーザーの勝ち負けによって、稼げるか稼げないかが決まるという点で、ユニークなものになっています。賭けに負けることで損をする人がでてくることが明確になっており、非常に現実のギャンブルに近い設計になっています。
これらのユニークなトークンエコノミクスが健全に循環するのかどうか、デジタルゲームとして提供される競馬というコンテンツがユーザーに受け入れられるのかといったポイントに注目していく必要があるでしょう。