Dragon Fish Tokyoを解説【フリーミントによるプロモーション効果でマネタイズを狙う】

投稿日:2023年3月16日 | 最終更新日:2023年5月29日

概要

画像引用元:Dragon Fish Tokyo

 

DFT(Doragon Fish Tokyo)とは、2022年9月にリリースされた、アロワナをモチーフとしたデザインが特徴的な日本発のNFTプロジェクトです。これまでに、二つのNFTコレクションが発売されており、第一弾ではDFTという3,333個のPFPコレクションが、第二弾ではDFTSWという5,555個のPFPコレクションが販売されています。

 

※PFP:SNSなどのプロフィール写真に使用する画像

 

DFTの公式サイトでは「DFTは、BAYCをリスペクトし、NFTを通じてメンバーに有益なコミュニティを創ることを第一に目指します」と明言しており、保有者とのコミュニケーションとコミュニティの醸成を重視しているプロジェクトです。

 

ロードマップ

 

 

DFTでは、上記の様なロードマップが示されているものの、具体的な内容については明かされておらず、企画をサプライズとして公開したいという狙いがあるようです。

 

 

初期に公開されていたプロジェクトの資料には、芸能人とのコラボレーションや日本のアニメ作品を使用したNFTの制作の構想について記述されています。

 

第二弾のNFTコレクションの発売を控えた2022年12月のタイミングでファウンダーであるbeeeeeM氏が「DFTSW以降のロードマップ」というタイトルでnoteを公開しています。その中では、今後の構想について言及しています。初期に公開されたロードマップと合わせて確認する必要がありそうです。

 

 

公開されているNFTとプロジェクト内での取り組み

DFT

 

画像引用元:Dragon Fish Tokyo – コレクション | OpenSea

 

DFTは、2022年9月に発売されたジェネシスとなる3,333個のPFPコレクションです。フリーミント、プレセール、パブリックセールの順に販売する3wave方式で販売が行われました。プレセールの段階で全てのNFTが完売しています。

 

※フリーミント:NFTの購入代金が0円でNFTを発行すること

※プレセール:WLやALという先行販売権を持った人々のための先行販売

 

DFT 3D CARD

 

画像引用元:DFT 3D CARD – コレクション | OpenSea 

 

DFT 3D CARD は、DFT販売後にDFTを2枚上もっているホルダーにエアドロップされたNFTです。会員権としての役割を果たし、Discord内の特別なスレッドに参加できます。スレッド内では海外のNFTプロジェクトの最新情報などの有益な情報が受け取れるそうです。また、NFTのフリーミント権の付与や、3Dカードの保有者限定の大規模な経営者向けセミナーの開催が構想されています。

 

※エアドロップ:NFTが配布されること

 

Vtuber:DFT47

 

画像引用元: 国内最大級のNFTプロジェクト「Dragon Fish Tokyo」と株式会社ファンスターがVtuber・Vライバー事業に関する提携を発表しました。

 

DFTと株式会社ファンスターが提携し、Vtuber・Vライバーグループ「DFT47」を立ち上げました。メンバーを募集し、DFTのコミュニティを活用しながらVtuberとしての活動を支援していく取り組みです。2022年10月に初期メンバー8人で活動を開始しました。今後VtuberのジェネラティブNFTの発行が構想されているようです。

 

※ジェネラティブNFT:機械の演算によってランダムに生成されるデジタルアート

 

ラオス支援NFT

 

画像引用元:DFT Charity Project – コレクション | OpenSea

 

ラオス支援NFTは、現地の子ども達が描いた絵をNFT化したもので、2次流通による収益の100%がNPO活動の支援に活用されるコレクションです。2022年12月にDFTホルダーを対象にフリーミントが行われました。

 

DFTSW(DFTspace war)

 

画像引用元:Dragon Fish Tokyo space war – コレクション | OpenSea

 

DFTSWは2023年2月にDFTの第二弾のNFTとして販売された5,555個のPFPコレクションです。第一弾と同様、フリーミント、プレセール、パブリックセールの順に販売する3wave方式で販売が行われ、即完売しました。

 

 

広報の仕方とそのインパクト

DFTでは、公式サイトで「NFTを通じてメンバーに有益なコミュニティを創ることを第一に目指します」と公言している様に、Twitterを主とした情報発信とDiscord でのコミュニティの醸成に注力しているプロジェクトです。

 

2023年2月時点で、DFTの情報の発信源となっているファウンダーのbeeeeeM氏のTwitterアカウントはフォロワーが6.4万人、Discordの参加者は3.9万人となっています。

 

第一弾のNFT販売までの動き

プロジェクトの初期の段階から、最初のNFTの販売までの間は、WLの配布で新規フォロワーを獲得していきました。確認することができた中で一番最初のWLの配布はNFT発売の1.5ヶ月程前のものでした。同じタイミングでプロジェクト概要の資料とロードマップを公開しています。初期の段階ではロードマップにある芸能人とのタイアップを売りにして、TwitterのフォロワーとDiscordの参加者を獲得していきました。

 

※WL:NFTの先行購入権

 

 

Discord参加者限定のWL配布も行っており、早期のDiscord参加者にインセンティブを与えていました。Discord参加者へのWLの配布は友人を招待することが条件になっており、さらにDiscordへの参加者を増加させました。また、Discordへ参加した人々の関心を継続させるための施策として、ランブルが行われ、景品としてWLが付与されました。WLを複数もっている人には、Freemint権やアマゾンギフト券が付与されるなど既にWLを手にした人でも参加できる施策で、NFT販売へ向けてコミュニティの熱量を高めていきました。

 

※ランブル:Discordでおこなうことができる簡易的な参加型ゲーム

 

 

DFTの認知度が高まった所でTwitterスペースを使用したAMAを開始しました。プロジェクトの概要や野望などを参加者と共有し、さらに熱量を高めていきました。さらに、仮想通貨やNFTについて発信するTwitterアカウントとタイアップしたWLの配布も実施し、継続的に認知の拡大を計りました。

 

※AMA:プロジェクトの運営者が行うライブ配信。ask me anythingの略でプロジェクトの概要などが説明される

 

熱量が高く、ファンとなった人々へ向けたさらなるコンテンツとしてDFTのブログを作成した人へのWLの配布や、NFTの販売前から使用できるアイコンの作成と配布も行いました。

 

 

beeeeem氏はTwitterでの発信に加え、プロジェクトの参加者とのコミュニケーションも積極的に行っていました。WL配布のツイートへのコメントに毎日のように返信を行っている他、TwitterフォロワーやDiscordの参加者が100人増えるたびにツイートをしてフォロワーと喜びを共有しているようでした。こうした取り組みによってファンはプロジェクトの成長を共に実感し、より愛着を増していったのではないのでしょうか。

 

 

第一弾のNFT販売とその後の動き

2022年9月に最高にファンの熱量が高まった状況で第一弾のNFT「DFT」の販売を迎え、#DFTがTwitterのトレンド入りした他、OoenSeaの24時間以内の出来高ランキングにも掲載されるなど販売は成功であったといえるでしょう。

 

 

NFTの販売(特にFreemint)後に売り圧が高まり、コレクションの価格が下落することを防ぐために、複数のDFTを所有するホルダーには後日別のNFTがエアドロップされることを事前に周知していました。

 

画像引用元:https://twitter.com/Dosanko_946/status/1569612745515106304 

 

また、販売したNFTの次のプロジェクトについてもNFTの販売前から発信しており、ホルダーの熱量が急激に冷めてしまうことを防いでいました。

 

OpenSeaのランキングへの掲載を受けて、海外の人々が参入してきたようで、第一弾のNFT販売直後からDiscordでも英語対応用のスレッドが作成されています。また、同時期から英語でのツイートや中国語でのツイートなども行われるようになり、一気にグローバルなコミュニティを抱えるプロジェクトへと発展しました。海外のNFTコレクターも取り込んだことによって2022年9月中旬にはDiscordの参加者は1万人を突破しました。

 

 

第一弾のNFTの販売終了後は、ファウンダーのbeeeeem氏によって積極的にAMAが行われ、NFTのユーティリティーやプロジェクトの今後の方針について発信していきました。AMAは日本語のみならず、英語や中国でもおこなわれ、海外のホルダーともコミュニケーションを密にしていたようです。また、国内外のNFTプロジェクトのファウンダー等によるNFTのgiveawayが行われており、新規ファンの獲得のための施策も継続していました。

 

 

第二弾のNFT販売までの動き

そして、2022年10月に第二弾のNFTの販売が発表されました。また同じタイミングで、「DFTロードマップ:DFT road map」というタイトルのnoteが公開され、それまでにプロジェクト内で進行していた動きについてまとめられています。

 

 

そこからは、海外の有名なプロジェクトとの合同AMAが積極的におこなわれ、第二弾のNFT販売に向けて、新規のファンを獲得しようとしていたことが分かります。beeeeem氏のnoteによれば、海外のコラボマネージャーと契約したことにより、AzukiやClonXといった、海外の超有名プロジェクトとのコラボレーションが実現したとのことです。

 

 

第二弾のNFT販売とその後の動き

2023年の2月に第二弾のNFT「DFTSW」が販売され、即刻完売しました。こちらも、第一弾同様、販売後の売り圧がかからないように、DFTSWを3つ以上保有している人には後日、宝箱がエアドロップされることが発表されていました。

 

 

第二弾のNFTの販売前から、コラボレーションを匂わせるようなツイートがあり、販売から10日後には正式にTokenやメタバース、NFTを活用して犬の殺処分を無くすことを目指すプロジェクト「メタバウズ」とのコラボレーションが発表されました。また、3Dモデリングによる作品の制作についてもツイートされており、ファンを飽きさせないためにプロジェクト内での取り組みを絶やさない施策が伺えます。

 

 

利用しているSNS

  • Discord(メンバー 約39000人)
  • Twitter(フォロワー 約64000人)
  • YouTube(チャンネル登録者 2350人)

 

マネタイズ

現状ではNFTの販売益以外のマネタイズ方法は確立されていませんが、ファウンダーであるbeeeeM氏はnoteに公開している記事で、今後のDFTのマネタイズについて言及しています。これまでのDFTの取り組みはプロジェクトとしての信用を構築するための取り組みであり、ここまで成長したコミュニティや積み上げてきた実績を通して獲得した信用が、ブロックチェーン技術により紙幣と同等の価値を生むといいます。

 

beeeeM氏がnoteで言及している今後の4つの構想のうち、3つはマネタイズに絡んでくる内容になっています。

 

②世界中のプロモーションしたいNFTから、フリーミントやWLを集めて、プラットフォームに提供していき、プロモーションしていく

③ゆくゆく必ず出てくるビジネスモデルだと思いますが、例えば世界に有名になりたいアーティストがNFTのフリーミントを発行する。それをDFT内のコミュニティがミントするために拡散しまくる。それによりアーティストは広告宣伝になる。アーティストはNFTで稼ぐのではなく、広告費ととらえてNFTを発行する。コミュニティは儲かる

④世界中のコインをDFTネットワークにエアドロップ(無料がみそ)していき、みんなで拡散しまくる。仮想通貨の市場はNFT市場の100倍、120兆円あります。その巨額なクリプトマネーをDFTユーザーに無料配布していき、みんなでパンプすることで世界中から買いが集まる。それによりコミュニティは大きな利益を上げる

 

-『DFTSW以降のロードマップ』より引用

 

DFTでは実際にこれまで、フリーミントに拘ってNFTをリリースしてきました。第一弾のDFTも、WLを複数所持していればフリーミントすることができましたし、第二弾のDFTSWもDFT所有者はフリーミントすることが可能でした。そして、フリーミントによって大きな話題性を呼び、認知と関心を集めることが可能であることが確認できる結果となっています。

 

フリーミントで巻き起こる話題性をプロモーションとして提供していくというマネタイズの方法は、DFTというコミュニティに所属するメンバーがインセンティブを受け取れる必要があります。そのためには、フリーミントされたNFTの二次流通を促すことができるかどうかという点が課題になってくると考えられます。

 

 

将来性

この記事では、DFTの概要からプロジェクトの変遷と今後の展望について解説してきました。

 

DFTの将来性としては、マネタイズが難しいとされるNFTプロジェクトでコミュニティに価値を還元しながらマネタイズを成功させることが出来るかが鍵になってくるでしょう。

 

NFTのみならず、Vtuberやトークン市場といった規模の大きい市場への参入を構想しているDFTですが、それらの市場でフリーミントを活用したプロ―モーションがどのように機能するのか、NFTコレクションの価格にどの様な影響を及ぼすのかという点を継続して観察する必要があるでしょう。

 

 

参考文献

Dragon Fish Tokyo

【最終】Dragon fish tokyo資料xyz .pdf

NewDFTロードマップ.pdf

DFT(Dragon Fish Tokyo)とは?謎多きNFTプロジェクトの経緯まとめ

【DFTの買い方】Dragon Fish TokyoNFTとは?完全版 – 新時代3.0

https://note.com/dft/n/ne02cf25149fe

https://note.com/dft/n/n9d57f39313cb

https://note.com/dft/n/nb04eeb39c646

https://note.com/dft/n/n927087950b87

https://note.com/dft/n/n823c68ff34ed

https://note.com/dft/n/ne0d8d68b9a0c

https://note.com/dft/n/n5588e0affb92

https://note.com/dft/n/nf5b93f1d5269

https://note.com/dft/n/na1de9042e697

https://note.com/dft/n/n5a3cc1d175bf

https://note.com/dft/n/nbd44c3e5df47

https://note.com/dft/n/n06fd9d88c8aa

https://note.com/dft/n/n1515c760441b

https://note.com/dft/n/n33cb8eb495f0

https://note.com/dft/n/n965426f40f81

https://note.com/dft/n/n48ce3afaee53

国内最大級のNFTプロジェクト「Dragon Fish Tokyo」と株式会社ファンスターがVtuber・Vライバー事業に関する提携を発表しました。

この記事を書いた人

EY Strategy and Consulting入社後、グローバル案件を担当する。YouTuberのコスメディレクターや広告運用を経験後、Web3領域でゼロスリー(株)を創業。ソフトバンクアカデミア14期生。

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